笑顔
昨日テレビで、歩けなくなったベリーという犬のことをやっていた。
病院に行っても原因不明、家族は懸命に面倒を見るが
ベリーはもう、動く気力さえなくしてしまったようだった。
動物の心を読み取る能力を持った女性ハイジさんに来てもらい
ベリーの心を探ってみた。
歩けなくなった原因は骨の異常ではなく、どうも神経を痛めたせいだ、とのことだった。
それよりも重大なことは、家族に笑顔がなくなってしまったことだと彼女は言った。
ベリーを心配するあまり、みんな暗い顔になってしまっていたのだ。
ベリーはみんなの暗い顔を見て、不安になってしまったというのだ。
「ボクはみんなに嫌われているのかな。」
「ボクがいるとみんな迷惑なのかな。」
「ボクは捨てられちゃうのかな。」
そんな不安でいっぱいになって、生きる気力もなくなってしまったようなのだ。
「そんなことはない、家族のみんながベリーのことを大切に思っている」
彼女は家族の思いをべリーの心へ届けてくれた。
するとベリーは突然前足を踏ん張って体を起こそうと動き出したのだ。
今までだらんと寝たきりで、えさも自分で食べられない状態だったのに。
お母さんの顔を一心に見つめ、這いずって何とか進もうと必死なベリー。
「ボク頑張れるよ!」ベリーはそう言っていると伝えるハイジさん。
家族の気持ちが伝わって、ベリーにも生きる気力が湧いてきたようだった。
ベリーの姿は私の胸に突き刺さった。
人間だってそうだよね。
私が暗い顔ばかりしていて、頑張れなんて言っても誰も頑張れないよね。
立ち直らなくちゃいけないのに、私は暗い穴の中に落ちたまま。
時々明るい光が見えて、ああ出られたのかなと思っても
気がつくとやっぱり穴の中。
どうにかしなきゃいけないのに、どうにもできない。
感情を抑えて表に出ないようにしようとしても
抑えきれずに、苦しみがあふれてきてしまう。
どこにいても、何をしていても。
私はただ自分を哀れんでいるだけなんだ!
そんなの何の役にも立たない!
分かっているのに、分かっているのに。
どうにもできない愚かな私の心にベリーの思いが突き刺さり
涙が止まらなかった。
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